その手の中に。

変なじいさんが来た。


5百円の商品を買ってくれたんだけどね。
小銭入れから大量の小銭を左手に全部だして数枚落としたじいさん。
下に落ちた小銭を拾いながら「はい、5百円」と出したのは10円玉。
いやぁ・・・はい、と言われましても。。。
「すいません、10円玉なんですが」
と言ったけど聞いてるのか、聞こえてないのか、何も答えない。
やっと顔を上げたと思ったら
「500円渡しただろ?」
「いえ、まだ頂いてないです。」
「えっ、置いただろ・・・・・・あんた盗ったんじゃないの?」
いやいやいやいや。

出されたのは10円玉だったと何度も説明するも、疑いの目をむけてくる。
渋々手の中にある小銭の中から5百円玉を取り出して渡してくるじいさん。
「1枚しかなかったんだけどな・・・」
ぼやきながら残った金を財布に戻し始めたじいさん。
その手の中にもう1枚5百円玉ありますけどね。
ちゃんと金色の物が輝いてるじゃないっすか・・・
しかもまた数枚落としてるし・・・
最後の1枚の50円玉を拾ったところでレシートをお返し。
「あれ?安くなったの?」
「はい?」
「50円おつりくれたじゃん。」
いやいやいやいや。
じいさん自分で落として自分で拾った金っす、それ・・・
説明するのももうやだ。
困った客はいくらでもいるけど、変な疑いかけらた経験は初めてでした。
みんなボケないようにしたいね、ホント。